子宮内膜症との闘い3 卵巣膿腫摘出手術

私の子宮内膜症による卵巣膿腫について。

2000年頃から婦人科に定期的に通い始めて卵巣の腫れ具合の様子を見ていた。普通に生活する分には問題ない。ただ将来的に悪性になるかもしれない可能性はあった。

何回か通ううちにT大学病院から来ているY先生と出会った。私の年齢も30歳を過ぎてそろそろ赤ちゃんが欲しいと考えていた。Y先生は婦人科系病気と不妊治療の専門家で話していると楽しくてつい診療時間が長くなってしまう話し好きな優しい先生だ。年齢のこともあるのでいつしか卵巣膿腫のことだけではなく妊娠に向けて病院に通っていた。

タイミング療法ではなかなか妊娠することが出来なかった。卵巣膿腫の腫れてる部分を取る腹腔鏡手術をしてから半年間は赤ちゃんを授かりやすいと先生は言っている。腫れてる部分を取って悪性か良性かも確認できるし、赤ちゃんを授かるチャンスがもらえるなら手術してみよう、ということになった。手術はとても怖かったが先生に「大丈夫大丈夫」と励まされ、32歳という年齢だったので背に腹は代えられぬ、という気持ちで手術を決断。

当時はリュープリンというホルモンの注射を半年間打ち卵巣膿腫が小さくなるかどうか試したが小さくならない。それでは2002年の9月に手術しよう、と決まる。7月、8月はお医者様も夏休みを取るので優秀な助手が必ずいる9月にしたほうが良い、と言われた。手術は先生の所属するT大学病院。患者は多く、入院予定の日程に必ず入院できるとも限らないようで確定したのは結構直前だったと思う。

私は会社の上司に相談もなく手術の日程を組んだ為、あとで上司には怒られてしまったが人道的な配慮で一応事なきを得た。

腹腔鏡手術なので入院は一週間くらいで済む。たしたことはない、と考えようとしていたが手術前日は緊張して眠れなかった。遺書でも書いておけば良かった、とかいろいろ考えてしまった。

無事手術は終了。肩が痛くてたまらなくて心配して見に来てくれる新人助手に湿布をお願いした。持ってきてくれるまで半日かかったけどこれはとても大変な手間があるらしく普通はこんなことしてくれる医者はいないそうだ。(隣のベッドのおばあさん曰く)

最初から看護師さんに頼めばよかったのだろうか・・・・。手術の後のあの肩の痛みはなんだったのだろう。2回目の手術の時はあんな痛みはなかった。腹腔鏡手術といってもしばらくは体を動かすたび内臓が動いて気持ち悪いし、痛かった。手術5日後には見舞客が来て大笑いしたところ内臓も傷口も痛くて今でも忘れられない。

卵巣の腫れてる部分はしっかりとした固形だったが先生の予想通り良性だった。その後希望通り妊娠するまで7か月。すぐに妊娠するかと思ったがなかなか願いは叶わず、もうだめかも、不妊専門のクリニックに紹介される一歩手前で突然妊娠発覚。私はこのY先生と出会っていなかったら赤ちゃんを授かることはなかったのではないだろうか。やっぱり手術をしてみようという気持ちにさせるくらい信頼できる先生でなければ到底手術なんて考えられない。Y先生本当にありがとうございます。